優秀なタクシー運転手に出会ったことがある。
いや、きっと優秀なんだろうと僕が思った。今回はそんな話。
◆◆◆◆
ある夏の暑い日のこと。
僕は待ち合わせの場所まで急いでいた。
ここから目的地まで、徒歩で10分、電車で20分くらい。電車を降りてさらに徒歩で10分。
待ち合わせまでの時間は40分そこらで、ギリギリ間に合うかどうか、という時間。
というか、駅で電車を待つ時間を加味すると遅刻は必至。
歩く。小走りになる。
「タクシーを使えば電車の待ち時間分は巻けるか?」
そんなことを考えながら、チラチラと道路を振り返りながら小走りでゆく。タクシーはない。
「これで駅に着いても電車の待ちがあれば遅刻だな…」
そう思っていたら、低速でタクシーが道路を走行していた。運転手は、こちらを見ていた。僕は手を上げた。運転手は会釈して、タクシーを歩道につけた。
「六甲道駅までお願いします」
そう伝えるとタクシーは最短ルートで、かつ駅の入り口付近までつけてくれた。お釣りも、一瞬で出てきた。
タクシーを出るとすぐさま改札を抜け、駅のホームへ駆け上がった。快速が来た。よかった、これで間に合う。そう思った。
◆◆◆◆
デキの悪い小説だw
それは置いといて、ポイントは
■通行人の存在を気にかけながら走行していた
こと。まぁタクシーとしたら当たり前と言えばそれまでなんだけど、これが「夏の暑い日に」「小走りで」「チラチラと振り返り(道路を確認し)ながら」歩いている通行人を補足したこと。おそらく、通行人よりも早く。
多分、こちらが手を上げなくても、「タクシーいかがですか?」と声をかけてきそうなくらい、僕の存在を気にかけていた。そう思えた。
別の時間・場所で、同じようなシチュエーションでタクシーを拾ったこともあるけど、あそこまで「気にかけられた」ことはなかった。
すごいのは「あの人はきっとタクシーを必要としている」と判断した洞察力なんだと思う。
きっと、彼は優秀な(稼げる)タクシー運転手に違いない。一度ゆっくり話をしてみたいな、なんて思った。
と、ちょー上から目線(この言葉は死ぬほど嫌だけど)の感想でしたまる。
■余談
コイツとは大違いだよw