最近、Numberとかを読んで「あぁ、ジョカトーレカッコイイなぁ」なんて思ってしまう今日この頃です。
さて、僕はサッカー経験者でも何でもないのですが、サッカー漫画は大好きだったりします。今回は、新・旧問わず、オススメなサッカー漫画を紹介したり感想を書いたりしようと思います。
ファンタジスタ
週刊少年サンデーで連載されていた作品。「ファンタジスタ」とは、
イタリアのサッカー界(カルチョ)では、よくサッカー界を代表する選手に対して特定のポジションに関係なく、イタリア語で「規格外(並外れて優秀な)」という意味のフオリクラッセ(Fuoriclasse)という賛辞にあたる言葉を用いる。しかし、その中でも、シュートやパス、ドリブル等において、極めて高度な「閃き」や「創造性」に溢れた、誰もが予想も出来ないような芸術的なプレーで観客を魅了するスーパースター級の選手に対しては、「讃える」という意味の“ファンタジー”(Fantasy)を捩ったファンタジスタ(Fantasista)と呼ぶ伝統がある(イタリア語におけるファンタジスタの原意は「多芸多才な人」)。
wikipedia ファンタジスタより引用
というわけで、一発目は僕が一番好きなサッカー漫画から。才能あふれる高校生、坂本轍平が主人公で、最終的にはオリンピック出場や、ACミランの1軍でプレイしたりします。
この漫画のみどころとしては、サッカーの技術や戦術がわかりやすく描かれていたり、主人公の精神的な成長が見られたりすること…なのですが、もしかしたらこれはサッカーを舞台にしたヒューマンドラマなのかもしれません。
印象的なシーンといえば、己のこだわりを通そうとする近藤が「勝利のために」エゴを捨ててチームプレイを選ぶシーンがあります。近藤は元々傲慢な人物として描かれているのですが、そういった人物がエゴではなく勝利を優先させるまでの心理の描写は心を熱くします。
同様に、ラストパスを坂本かトト(サルバトーレ・ビアンキ)のどちらに送るか、という選択肢にファルコーニがトトを選んだシーンも熱い。チームの誇りを汚すなと言うファルコーニ、そんなものより点を取ることが重要だというトト。チームの誇りを気にかけないトトだが、勝利への執念を信用してパスを出すファルコーニ。肋骨を折った状態ながらも、ファルコーニからのラストパスを見事ゴールに沈めるトト。
他にもみどころ満載なので、とにかくオススメです。
あと、2006年の週刊ヤングサンデー20号で「カンピオーニ」という読切が掲載されていました。「ファンタジスタ」の外伝的作品のようですね。何かのコミックに収録されないかなぁ…。
GOLDEN★AGE
週刊少年サンデーでファンタジスタの連載が終了した後に、同誌で連載が始まりました。現在はクラブサンデーで無料配信されています。
こちらも主人公は才能あふれる存在ですが、こちらは中学生。題名のとおり、ゴールデンエイジと言えば中学生あたりの年代を指しているので当然ですね。
描かれるのは中学生ということもあり、絵柄は若干コミカルですが、内容は本格的なサッカー漫画です。戦術なんかのややこしい話を簡単に、わかりやすく(絵柄のように!)解説してくれるのもポイントが高いです。おそらく、ですがこの漫画は「成長」をテーマに描かれているような気がします。
そんなわけで、主人公やチームメイトの成長ぶりが楽しみな漫画ですね。
俺たちのフィールド
略して「俺フィー」。少し昔に週刊少年サンデーで連載されていた漫画ですが、とにかく熱い!この漫画ほど「勝利への執念」や「気迫」といったものが前面に押し出されている作品はほとんど無いと思います。
オススメ。巻園さんも出てます。
エリアの騎士
現在、週刊少年マガジンで連載されています。(wikipediaのページ)絵柄がとってもキレイです。
成長し、自分の才能を開花させていく主人公が描かれていて、おそらくそこが見所だとは思うのですが、いかんせん外見が地味(主人公・逢沢駆は一番上)なんですよね。
他の主要な登場人物は個性あふれる外見なのに、どう見ても主人公は普通の男の子です。これでは、どんなスーパープレイが飛び出しても「凄さ」の説得力が半減してしまう…あと、草食系っぽいおだやかな性格も、スポーツ漫画の主人公としてはふさわしくないのかなぁ、と思いました。
ともあれ、話としては結構面白いので良いです。あとセブンかわいいよセブン。
Jドリーム (飛翔編・完全燃焼編含む)
こちらも週刊少年マガジンで連載されていた作品です。作者の堀内夏子先生は女性なのですが、日本でも有数の熱いサッカー漫画を描く先生だと思います。
戦術や技術の細かい話は無し。ですが、とにかく気迫・意地・根性です。言うなればドラマです。というか、書いてみて「ドラマ」という表現がものすごくしっくり来たことに驚きです。そう、この作品はドラマなんです。
これまたオススメ。
オフサイド
こちらも堀内夏子先生の作品。週刊少年マガジンで、Jドリームの前に連載されていました。こちらもやはりドラマですね。そして熱い。
オススメです。
シュート!
週刊少年サンデーでは「俺フィー」、週刊少年マガジンでは「シュート!」というくらい当時の双璧を成していた漫画です。(個人的には俺フィー派だったのですが)
この作品の見所としては、やはり次々に出てくる必殺技の数々でしょう。「ファントム・ドリブル」、「幻の左」、「トリプルヒールショット」、「サブマリンシュート」…数えあげればキリが無い、ってココに「シュート [必殺技辞典]」なるものがありましたね。
とにかく必殺技のオンパレードだったりしますが、ワクワクしながら読める作品でした。
ここらで、少年誌以外の作品を紹介します。
GIANT KILLING
もしかしたら、今一番話題になっているサッカー漫画かもしれません。週刊モーニングで連載中。
この作品が他のサッカー漫画と一線を画しているのは、「監督」が占めるウエイトが非常に重いんです。ほとんどのサッカー漫画ではプレイヤーが主人公だったり、視点も当然プレイヤーのものなのですが、GIANT KILLINGでは監督視点の描写がものすごく多いです。(主人公は監督の達海なのかプレーヤーの椿なのか?と思ったりしますが)
当然、監督視点なので戦術や雰囲気、チームの士気、勝ち方・負け方といった描写が数多くあります。そうか、サッカークラブ監督はこんな事を考えるんだ、と。
読んでて「サカつく」的な気分かもしれませんね。しかし、話題になるだけあって、とにかく新鮮で面白い作品です。
U-31 (完全版)
以前、こちらのエントリでも紹介した作品ですね。引用すると、
これは、そんじょそこらの華やかなサッカーマンガとは違います。主人公はすでに27歳。次回のW杯の時には31歳。年々衰えていく身体能力、激しいポジション争い、そして代表への未練。
話全体が暗く、現実的なテーマを描いているのですが、サッカーや登場人物の描写はリアルです。そんな過酷な状況、自分の運命に立ち向かう主人公の、ドラマティックな、男の物語です。
という話です。
amazonの紹介だと、
■上巻
“マイアミの奇跡”から6年―。華々しい過去を切り売りするかつての日本代表選手は、クラブから戦力外通告を受け、どん底からの再スタートを強いられる。自分にとってサッカーとは何か、輝きは取り戻せるのか―。再び10番を背負い、河野敦彦の熱い反攻がいま始まる!「週刊モーニング」で連載され、日韓W杯直後の日本サッカー界を騒然とさせた問題作。コミック本編に加え、幻の原作「LOVE AFFAIR」まで収録した、文字通り『U‐31』の完全版。ここに復活。
■下巻
サッカー選手として輝きを取り戻し、日本代表への道も見え始めた河野敦彦の前に、かつてのアトランタの盟友・藤堂涼介が立ちはだかる。薬によって異形の怪物と化した藤堂を前に、生身の河野はどう戦うのか―。諦め切れない男たちの決着は、果たして…!?連載末期の“空白”を、サッカー専門紙「エル・ゴラッソ」に掲載された小説版で完全フォロー。さらに単行本未収録の真の最終回「特別編」も収録。ドイツへ、そして南アフリカへ。「U‐31」の戦いは終わらない。
とあり、完全版の下巻では、「真の最終回「特別編」」なるものが収録されているんだとか。僕はすでに通常版は持っているのですが、下巻だけでも買おうかなぁ…という気になります。。
wikipediaでは、U-31のページがあり、内容や世界観の理解が深まります。
現実のサッカークラブや選手がモデルになっているので、リアル志向のサッカー漫画が好きな方は、きっと好きになれると思います。それにしても、ジェム市原とは(笑
ところで、このU-31の原作者は綱本将也氏なのですが、前述のGIANT KILLINGの原作も綱本氏によるものです。気になられた方は、ぜひともU-31を読んでみることをオススメします。
LOST MAN
ファンタジスタの草場道輝先生の作品。現在、週刊ビッグコミックスピリッツで連載中です。
ファンタジスタと違い、今回の作品ではテクニックや戦術に重きを置いた内容ではなく、クラブチームに焦点が当てられているようです。
主人公は記憶喪失の男・マツモトなのですが、おそらくマツモトの記憶に関係する話がキーとなりそうです。そんな内容なので、サッカーというスポーツを、今までのサッカー漫画とは異なる視点から描こうとしている作品だと思います。今後の展開に期待大ですね。
それでは、再び少年誌から。
ORANGE
こちらは週刊少年チャンピオンの作品。知る人ぞ知る?おまかせピース電器店の作者さんの作品です。
絵柄はピース電器店のようにコミカルで、内容も結構ライトな雰囲気。手軽に楽しめます。
オーレ!
こちらもピース電器店の作者さん。GIANT KILLINGが監督視点なら、こちらは経営者視点で物語が描かれます。
オーレ!の内容とは全く関係無いのですが、浦和レッズ(wikipedia)は地域密着型として成功したクラブなんですね。。
ホイッスル!
ようやく最後。こちらは週刊少年ジャンプで連載されていました。アニメ化もされたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
こちらも主人公の成長を見所とする作品ですね。どんどん上達していく主人公を見るのが楽しかったです。サッカー的には、ファンタジーとまでは行かなくても、やたらアクロバティックな動きが多かったです。まぁその辺はジャンプのサッカー漫画の伝統というところですかね。